その2番目のお妃がアン ブーリン。4ー5年前には「ブーリン姉妹」という邦題で、演技派美人のスカーレット ヨハンソン、ナタリー ポートマンで演じられました。 そのブーリン家の城であるのがケント州、ロンドンから車で1時間ちょっとのところにあるヒーバー城です。 中世のお城らしく外堀に囲まれ、正門はドローブリッジという開閉は鎖で行う木の橋。 中は1500年代の木のパネルの壁。 食堂のテーブルも椅子も重々しいイングリッシュオーク材。 結局ヘンリーは最初の妻であるキャサリン オブ アラゴンと離婚する際、ローマ法王いわゆるカトリック宗派に決別をするのですが、この城には至る所に人一人しか入れないくらいの小さい礼拝堂があり、アンも寝室横の礼拝堂で、王妃になることを祈って毎晩ひざまづいていたことでしょう。 そしてその寝室にはヘンリーが狩りなどに来た際に泊まっていったベッドもあります。 男の子を産めなかったアンは、最終的には陰謀にでもかけられたごとく、ブーリン家もろとも失脚、ロンドン塔で打ち首にあいます。 その後1900年になってからこの城は、ニューヨークのアストリアホテルなどで有名のアスター一族に買い取られ、莫大な資金をかけて城の補修、そして巨大なイタリアンガーデンが築きあげられます。 訪れる際の見どころは、お城はもちろんのこと、巨大な庭の湖のほとりに、2000年経っているという本物の品よく並べられたイタリアの石の彫刻、続いてローズガーデン、ダリアガーデンとテーマ別にアレンジされながらも、全体として素晴らしい調和のとれた庭です。 ![]() さらにその庭の中には、ヘンリーのころからのイチイの木でできた迷路などもあります。 駐車場からお城に入るまでの間には、これまたおもしろそうなプレイグラウンドがあり、子供連れで行くときは、なかなか本番のお城にたどり着けません。 夏は池でボートなども楽しめます。 また子供用のウォーターメイズ(石畳を歩いているといきなり水が飛び出してくる)などがあり、1日かけて楽しめるところです。 英国史、美、レジャー、、、どれにおいてもかなりポイント高い、南イングランドの古城です。 記事と写真 鶴田京子 |