ウイリアムモリスの家

ウイリアム・モリスは1834年ロンドン北東部のウォルサムストウの裕福な家庭の子供として生まれました。オックスフォード大学在学中に芸術に目覚め、卒業後、建築家や画家を目指しましたが、装飾芸術に才能を見出しました。

 

25歳のとき、ラファエル前派の画家たちのモデルになるジェーン・バーデンに一目ぼれして結婚、ロンドンの南東ケントに新居を建てて移り住みました。新居は赤レンガを使った外見からレッドハウス呼ばれました。モリス一家が住んだのは20代後半の5年間だけでしたが、モリスが最も幸福な時期でした。彼のデザインのヒントとなった草花を庭で見ることができます。

 

仲間と一緒に室内装飾から家具のデザインまですべてを手がけるモリス商会を設立し、壁紙、刺繍、タペストリー、テキスタイル、ステンドグラス、家具などのデザイン、装丁、印刷と手がけました。庭や野に咲く草花をモチーフに植物文様のデザインをして才能を発揮。モリスが理想としたのは中世の職人たちの手仕事によって生まれる美しい生活空間の再現でした。彼のデザインは多くの人をひきつけ、モリスは社会的な地位を確立しました。

 

37歳のときにはコッツウォルズのケルムスコット・マナーを別荘としました。1570年に建てられたライムストーン造りのファームハウスで、前庭にはバラが植えられ、裏庭からはテームズ河が見えます。彼がデザインした壁紙や、家族が使った家具、装飾品が当時のまま残されています。モリスは1896年、62歳で亡くなり、ケルムコット・マナーの近くの聖ジョージ教会に埋葬されています。

 記事と写真 ライト裕子
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