ロンドンでは11月に入ると各所で屋外の仮設スケートリンクが設置されます。 今ではロンドンの数ある博物館、美術館の中でも特に美しい自然史博物館の前庭、11世紀まで歴史のさかのぼるロンドン塔のもとお堀だった場所、もともとは16世紀のサマーセット公爵のお屋敷があった場所にある18世紀の政府の建物 サマーセットハウス そして 20世紀の高層ビル ドックランドの カナリー埠頭タワーの広場と観光客だけではなく ロンドンっ子にも大人気です。暗くなると歴史的にも価値ある重厚な建物はライトアップされその脇でのスケートはなかなかの雰囲気です。 この屋外スケート、始まりは10年前ぐらいでサマーセットハウスの中庭が最初でした。 この場所が選ばれたのは実はこのサマーセットハウス テムズ河沿いにあるのですが その昔 冬にはテムズ河が完全に凍って その氷の上でフロストフェアーなるお祭りが 開催されスケートなども楽しまれたからなのです。 このフロストフェアー 15世紀から19世紀までの間 テムズ川が完全に凍ったとき 開催されています。歴史的記録では 最初の記述は西暦250年までさかのぼり 9週間完全に凍っていたという記録が残っています。14世紀から19世紀までは弱氷河期などともよばれ 今よりもずっと寒い冬が続いたのですが 凍った氷は30センチ近くの厚みがあったそうです。 16世紀の王様ヘンリー8世は ロンドンの中心地から今では残っていないグリニッチの宮殿までそりで移動したという記録もあります。 氷の上では屋台が置かれ いろいろな品物が売られ 見世物小屋 アイススケート そして 男の子たちは氷上サッカーも楽しんだそうです。 最後のフロストフェアーは1814年2月1日から4日間行われました。 今は温暖化の気候、テムズ河沿いの堤防 そして次々建てられた橋の橋げたの影響で河の流れが速くなったことなどが重なり凍ることはありません。 寒いのは大の苦手ですがテムズ河がまた凍って お祭りができたら素敵だろうなあなんて思ったりもします。 冬にロンドンにいらっしゃる方はアイススケート是非 試してみてください。 |